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ノベルティグッズの歴史:販促品は時代と共にどう変化したか?

企業やお店の「顔」として長年親しまれてきたノベルティグッズ。無料で配られる記念品や販促品は、私たちの生活に自然と溶け込み、時には日用品として長く愛用されることもあります。しかし、ノベルティの役割や形は時代ごとに少しずつ変化してきました。本記事では、ノベルティグッズの歴史を振り返りながら、現代のマーケティングにおける位置づけや今後の展望について解説します。

1,ノベルティの起源は古代にあり?

「ノベルティグッズ」という言葉が広まったのは近代以降ですが、実はその原点は古代ローマや古代エジプトにまで遡るといわれています。
祭典や行事の際に、王や支配者の名前が刻まれたコインや小物を配布した記録が残っており、これは現代の「名入れノベルティ」に近い存在と考えられます。支配者の権威を示すだけでなく、庶民の生活に浸透することで「自然な広報効果」を狙っていたのです。

2,近代におけるノベルティの始まり

現代的な「販促品」としてのノベルティは、19世紀の産業革命以降に広がりました。大量生産が可能になり、企業は自社の名前やロゴを印刷したマッチ、鉛筆、カレンダーなどを配布し、知名度向上を図りました。

特にアメリカでは、1880年代に「名入れ広告マッチ」や「名入れバッグ」などが登場し、企業広告として広まっていきました。この頃から「企業のロゴやスローガンを生活に溶け込ませる」戦略が意識され始めたのです。

3,日本におけるノベルティ文化の発展

日本でノベルティが一般化したのは戦後の高度経済成長期。1950〜70年代にかけて、さまざまな販促品が市場に登場しました。
特に有名なのは「ボールペン」「カレンダー」「灰皿」「マッチ箱」といった実用的なアイテムです。当時は家庭や職場で日常的に使われるものが多く、企業名が自然と目に入る仕組みが広がっていきました。

また、百貨店や商店街では「福引の景品」としてもノベルティが活用され、集客効果を大きく発揮しました。

4,1980〜90年代:バブル期の豪華ノベルティ

経済が活況を呈した1980〜90年代には、ノベルティも一段と豪華になりました。高級感のある革製品やブランドコラボのアイテム、さらには電化製品がプレゼントされることもありました。
「無料でもらえるのに実用的でおしゃれ」という付加価値が、消費者の購買意欲をさらに高める役割を果たしました。

この時期、ノベルティは単なる販促品ではなく「企業のイメージ戦略の一部」として強く意識されるようになったのです。

5,デジタル時代とノベルティの融合

近年はデジタル技術とノベルティが融合し、新しい形の販促品が登場しています。
例えば QRコード付きグッズ は、商品やサービスの紹介ページに簡単に誘導できる便利な仕組み。アクリルスタンドやカレンダー、ステッカーなどにQRコードを印刷することで、リアルからオンラインへの導線を自然に作り出すことが可能です。
また、USBメモリやモバイルバッテリーなど「デジタルツール系ノベルティ」は、ビジネスシーンでも重宝され、実用性の高さから長期的に使用される傾向にあります。

6. SDGsとエコノベルティの台頭

社会全体で 環境意識の高まり が進む中、ノベルティ業界でも「エコ」をテーマにした商品が増えています。

  • 再生紙を使ったメモ帳
  • 間伐材を利用した木製ボールペン
  • マイボトルやエコバッグ

といったグッズは、企業の社会的責任(CSR)を示すアイテムとして注目されています。SDGsの目標とリンクさせることで、企業イメージの向上にもつながります。

7,パーソナライズと小ロット需要

かつては数千個単位の大量発注が主流でしたが、近年では 小ロット発注のニーズ が拡大しています。
展示会やイベントで「限定数を配布する」「ターゲット顧客に合わせてパーソナライズする」といった戦略が増え、名入れやオリジナルデザインを少量から対応できるサービスが人気です。
この背景には、「ただ大量に配るよりも、ピンポイントで価値を届ける方が効果的」という販促の考え方の変化があります。

まとめ

ノベルティグッズの歴史は、時代の価値観や技術革新とともに変化してきました。

  • 江戸時代の版木や引札に始まり
  • 高度経済成長期の大量配布グッズ
  • バブル期の高級アイテム
  • デジタル時代の実用ツール
  • SDGsを意識したエコグッズ

そして現在は「少量でもオリジナル性のある販促品」が支持されています。

ノベルティは単なる販促品にとどまらず、企業と顧客をつなぐ コミュニケーションツール へと進化を遂げているのです。